秋葉原で都市養蜂を行っている「秋葉原みつば養蜂」さん。 毎年200kgもの蜂蜜が採れるそうで、その蜂蜜を使った「秋葉原のお土産を作りたい」というご依頼を、昨年いただきました。
お菓子は、スイーツスタンダードさんが考案した「はちみつヌガーサンド」。私たちはネーミング、ブランディング、パッケージデザインを担当しました。
まずはいつものようにリサーチから。サブカルチャーの聖地・秋葉原。 国内外から多くの観光客が訪れるにもかかわらず、 “秋葉原といえばコレ!”という定番土産が意外とない街でもあったのです。
オーナーの松岡さんは、生まれも育ちも秋葉原。 「大好きな街を代表するお土産をつくるのが夢なんです」と 打ち合わせのたびに、熱く語ってくださいました。
「秋葉原」と「蜂」をかけて、「あきばちさん」というブランド名を提案。皆さんから愛される存在になって欲しい。親しみを込めて「さん」をつけました。
「あきばちさんでは」秋葉原産の蜂蜜を使ったヌガーサンドをはじめ、カヌレやソフトクリームも販売されています。
はちみつソフトクリームは、発売時期の初夏という季節感もぴったりで、SNSやテレビでも多く取り上げられました。
◆「あきばちさん」のお仕事についてはこちらでご紹介しています
https://marlco.jp/?p=1181
このプロジェクトに関わるようになってから、私は定期的に「秋葉原みつば養蜂」さんの養蜂見学させてもらっています。
初めて間近で見る養蜂の世界。 ミツバチの数にも驚きましたが、 そもそも、街中ではあまり見かけないミツバチたちが 一体どこに飛んで行っているのか、不思議でなりません。
見学を通して、ただの甘味料だと思っていた「蜂蜜」への価値観も一変。
高層ビルがひしめく秋葉原の中で、 その屋上から一心に蜜を運び続けるミツバチたちの姿に、心を打たれました。
ビルの7階から周囲を見渡せば、似たような建物ばかり。 なのに、どうしてミツバチたちは迷わず巣箱へ帰ってこれるのか。 (私は毎回、Google Map頼りでこのビルに辿り着いてます。笑)
見学のたびに「なぜ?」「どうして?」が止まりません。
松岡さんは巣箱を開けながら、丁寧に説明してくださいます。
『この蜂は次期女王蜂候補のお世話係。 この蜂は防衛担当、巣づくり担当、餌探し担当…。』
本当に、「働き蜂」という名前のとおりです。
『どのミツバチが欠けてもダメなんです。 この巣箱そのものが、一つの生命体のようなものなんですよ。
ちなみに今集めている蜜は、冬を越すためのものですが、この子たちは冬まで生きられません。 次の世代のために、今、働いているんです』
おおおぉぉぉぉぉ… 全てに感動する私。泣
「ちょっと皆さん、ミツバチ見習いましょうよ」なんて思ったりして。
これからはもっと、感謝の気持ちを持って蜂蜜をいただこう。
ありがとう、ミツバチ…。
4月・5月の採蜜シーズン中は、何度か見学に伺いました。 そして毎回、「ブンブンブン♪」と口ずさみ、感化されたまま築地のビルへ帰っていくのでした。笑
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「単純デザイナーの感化される日々」 奥谷知未
昔から感化されやすく、 この仕事をはじめてから様々な職種の人と出会い、 目標や悩みを聞くことが増え、慌ただしく影響を受けています。 自分でも思う「単純」な性格。 時に面倒なこの性格ですが、単純は楽しい。 仕事や日常で受けた刺激を紹介します。
◆ vol.1 / 四十にして惑わず? https://marlco.jp/?p=997
◆ vol.2 / 個の力を後押し https://marlco.jp/?p=1000
◆ vol.3 / 「おいしい」を追求する人 https://marlco.jp/?p=1123
◆ vol.4/ 長く、愛されてほしい https://marlco.jp/?p=1123